日本

JAPAN

ペーター・アルテンベルク Peter Altenberg

石波杏訳 Kyo Ishinami




 当然ながら私は日本人に反対している。人間としての私は彼らに失望した。しかしささやかな芸術家としてはそうではない! 実のところこうした考えは、が多くの人に対して抱くものだ。お祭り気分のときにした約束を、日常生活では誰も守らない。私の小さな部屋には、茶色と黄色の竹でできた日本の三段飾り棚がある。
 それはまるで自然に存在する何か特別な植物のように、繊細に精巧に編まれている。私はそれを愛している。たとえそれが、今では憎まれ軽蔑されている日本人の手になるものであっても。人は全てにおいて――全てのことにおいて、そうあるべきなのだ! B・フォン・G氏と共に我々を裏切った女の手足でさえも、なお賛美できなければならないのだ! それは人間たちに対しても、いや失礼、男たちに対しても、国家に対しても、国民に対しても同じだ! 毒蛇の黒灰色の鱗をなお賛美できなければならないのだ、今まさにその毒で刺され致命傷を負わされている時であっても!
 詩人として、この戦争について他に何が言えるだろうか?! 一九一四年一二月一日までに、私は新しいスケッチの中で全てを語った。もちろん私は歴史家でもなければ戦争特派員でもない──神に感謝





Aus: Peter Altenberg, Fechsung (1915), S. 255-256
The Project Gutenberg eBook of Fechsung
2025年5月3日深夜 翻訳・公開


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